八戸に初めて来る人が、いちばん高い確率でつまずくのがこれです。八戸には「八戸駅」と「本八戸駅」というよく似た名前の駅があり、しかも同じ場所にありません。直線で6kmほど離れた、別の街の駅です。
「八戸駅で降りたのに、店も何もない」「ホテルの最寄りが本八戸駅だと知らずに八戸駅からタクシーに乗った」というのは、Nvillageに着いたゲストからも、着く前のメッセージでも、繰り返し聞く話です。この記事では、予約する前・切符を買う前に決めておくべきことを、実際にゲストへ説明している順番のまま書いておきます。
まず結論 — 泊まる場所で決まる
遠くから来る人の判断は、ほぼこれ一つで済みます。
- 新幹線で来て、駅の近くに泊まる/翌朝また新幹線に乗る → 八戸駅
- 夜に飲みに出たい/中心街のホテルに泊まる → 本八戸駅
- 海(種差海岸・蕪島)や朝市が目的 → どちらでもよいが、乗るのは同じJR八戸線
- 三沢空港から来る → 本八戸駅(八戸駅にはバスが入りません)
Nvillageは八戸駅の西口側にあるので、うちに泊まるゲストへの答えは常に「八戸駅で降りてください」です。西口までの詳しい行き方はアクセスのページにまとめています。
八戸駅 — 新幹線と青い森鉄道が集まる玄関

八戸駅は、東北新幹線・JR八戸線・青い森鉄道が集まる乗り換えの駅です。東京から来る人、青森や盛岡から来る人、レンタカーを借りる人は、まずここに着きます。八食センター行きのバスや、奥入瀬渓流方面へのバスもここから出ます。
その一方で、八戸駅の周りは繁華街ではありません。駅ビルと数軒の店、あとは住宅街です。夜10時にここへ着いて「さあ何か食べよう」と思うと、選択肢はかなり限られます。これは欠点というより性格の違いで、静かに眠れる場所ではあります。実際うちに泊まるゲストは、駅から歩いてきて、そのまま静かな夜を過ごしていきます。
覚えておくと便利なのは、八戸駅には東口と西口があり、雰囲気がまったく違うことです。バスやタクシーの乗り場が集まるのは東口、住宅街が広がるのが西口。改札を出たあとで反対側に行こうとすると、荷物を持ったまま連絡通路を歩くことになります。降りる前にどちらの口に出るかを決めておいてください。
本八戸駅 — 中心街と横丁に歩いて行ける駅

本八戸駅はJR八戸線だけの駅です。新幹線は停まりません。そのかわり、八戸の中心街がすぐそこにあります。八戸市が案内している徒歩の目安では、本八戸駅から三日町の八戸ポータルミュージアムはっちまでが約10分。そこから屋台村のみろく横丁までは80mほど、歩いて2分です。
つまり「夜に横丁ではしご酒をする」つもりなら、荷物を置く場所は本八戸駅側のほうが圧倒的に楽です。八戸市役所、百貨店、三日町・八日町の商店街も、この駅の徒歩圏にあります。横丁で食べるものについてはせんべい汁の記事に書きました。
逆に、本八戸駅から新幹線に乗ることはできません。翌朝早い新幹線を予約している人が中心街に泊まると、朝いちばんに八戸線かバスで八戸駅まで移動することになります。その所要時間を旅程に入れ忘れる人が、毎年います。
二つの駅の行き来 — 電車で8分、バスで25分
八戸駅と本八戸駅は、JR八戸線でつながっています。2駅・5.5kmで、所要は8分ほど、運賃は200円です。乗り換えなしで、いちばん速くて安い方法がこれです。
ただし、本数は都市の路線とは違います。時間帯によっては次の列車まで1時間近く空きます。「駅に行けば何か来る」と考えず、乗る列車を決めてから駅に向かってください。時刻はJR東日本の本八戸駅の時刻表で確認できます。
列車の時間が合わないときは、路線バスがあります。八戸市によれば、八戸駅と中心街のあいだは市営バスと南部バスの共同運行で、田面木・司法センター前経由と根城大橋経由が15分間隔。八戸駅から中心街ターミナル(三日町・八日町)までの運賃は370円です。早朝・夕方・夜間は八戸駅の列車時刻に合わせて走ります。所要は道路状況によりますが25分ほどを見ておいてください。詳しくは八戸市の中心街へのアクセス案内と共同運行のページにあります。
まとめると、電車のほうが速くて安く、バスのほうが本数が多い。どちらを使うかは、その時刻に何が動いているかで決めるのが正解です。
JR八戸線は、二駅間の連絡線ではない
ここが観光客にとっていちばん得な話かもしれません。八戸駅と本八戸駅を結ぶJR八戸線は、そのまま海沿いを走って岩手県の久慈駅まで64.9km続く路線です。八戸駅から鮫駅までの区間には「うみねこレール八戸市内線」という愛称が付いています。
つまり、本八戸駅へ行くのと同じ列車に乗り続けるだけで、次の場所へ行けます。
- 陸奥湊駅 — 朝の市場と、館鼻岸壁朝市へ向かう最寄り駅
- 鮫駅 — 蕪島とウミネコ。駅から歩いて15分ほど
- 種差海岸駅 — 波打ち際まで芝生が来ている海岸。八戸駅から35分前後
海側の歩き方は種差海岸と蕪島の記事に、陸奥湊と館鼻の朝市についてはサバとイカの記事に書きました(八戸駅からバスで行く八食センターは、この二つとはまた別の市場です)。館鼻岸壁朝市は日曜の早朝だけの朝市で、日曜には臨時列車「館鼻岸壁朝市号」や循環バス「いさば号」も走ります。陸奥湊駅から歩ける距離ですが、案内によって徒歩10分とも20分とも書かれているので、朝市の公式ページで最新の開催日と行き方を確かめてから出てください。
間違えやすいところ — 三沢空港のバスは八戸駅に来ない
この記事でいちばん実害が出るのがここです。三沢空港と八戸市内を結ぶ連絡バスは、本八戸駅前と中心街(八戸八日町)に発着します。八戸駅には入りません。所要は約55分、運賃は1,500円です(八戸市・三沢空港の案内による)。
飛行機で来て、八戸駅の近くに泊まる予定の人は、本八戸駅前でバスを降りたあと、そこから八戸線かバスで八戸駅まで移動する、という二段構えになります。逆に帰りは、八戸駅から空港行きのバスには乗れません。時刻と乗り場は八戸市の三沢空港連絡バスの案内で確認してください。
もう一つ、宿を予約するときの注意です。予約サイトの「八戸駅から徒歩◯分」という表記が、実は本八戸駅を指していることがあります。日本語の駅名に慣れていないと「八戸駅」と「本八戸駅」は同じものに見えるので、地図でピンの位置を確かめるのがいちばん確実です。
行き先別・降りる駅の早見表
- 新幹線の乗り換え、レンタカー、八食センター行きのバス → 八戸駅
- みろく横丁、三日町・八日町の商店街、はっち、八戸市役所 → 本八戸駅
- 館鼻岸壁朝市、陸奥湊の朝市 → 陸奥湊駅(八戸線)
- 蕪島・ウミネコ → 鮫駅(八戸線)
- 種差天然芝生地、みちのく潮風トレイル → 種差海岸駅(八戸線)
- 三沢空港からのバス、三沢空港へのバス → 本八戸駅前または八戸八日町
- Nvillage → 八戸駅の西口
周辺の位置関係はエリアガイドの地図でも見られます。行き先が決まっていない段階なら、体験のページを眺めてから駅を決めても遅くありません。
なぜこんな紛らわしい名前なのか
由来を知ると、間違いにくくなります。もともと八戸の街の駅は、いまの本八戸駅のほうでした。そちらが「八戸駅」だったのです。いまの八戸駅は1891年に「尻内(しりうち)駅」として開業した、街から離れた場所の駅でした。
それが1971年に入れ替わります。尻内駅が「八戸駅」に改称され、それまで八戸駅だったほうが「本八戸駅」になりました。のちに東北新幹線が停まることになるのは尻内駅のほうだったので、幹線の駅に市の名前を渡した格好です。「本」が付いているほうが元祖の街の駅、という順序で覚えておくと、現地で迷いません。
八戸駅の西口に泊まるということ
最後に、うちの立場から正直に書いておきます。八戸駅西口は、飲み屋街ではありません。夜は静かで、コンビニまで少し歩きます。中心街ではしご酒をするつもりのゲストには、その日の帰りの足を先に決めてもらっています。
そのかわり、新幹線を降りてから荷物を置くまでが短く、翌朝が早くても慌てません。八戸線に乗って海や朝市へ出るのも、この駅からが起点です。長く泊まる人には、洗濯機と乾燥機があること、バレルサウナ(有料・予約制)で歩いた日の脚を戻せることが、後半になって効いてきます。
どちらの駅が旅程に合うか迷ったら、行きたい場所を書いてお問い合わせから聞いてください。日程が固まっていなくても構いません。客室の空き状況とあわせてお答えします。